「ということで」


「「夕凪さん!これに着替えて下さい♪」」


笑顔が引き攣る。


だけどそれは仕方ないよね?


だって、みんなが手にもってる〝それ〟は…女の子たちと同じメイド服、なんだから。


「あの、私は参加は…ちょっと…」


「あら!高校最後の文化祭なんですよ?思い出は作らなくちゃいけませんよ?ということで、更衣室に連れて行きますよ!」


「「はーい!」」


「えっ、ちょっ?!」


私の話を聞かず、女の子たちによって更衣室に連れて行かれる。


男の子も見てないで助けてよ!


そんな哀れな見るのやめてくれないかな?!


悲しくなってくるから!





「夕凪様は何色かしら?」


「ピンクじゃなくて?」


更衣室についてからというものの、私をそっちのけで衣装選びをする女の子たち。


女の子たちの手には、ピンク色と黒色のフリフリレース付きのメイド服。


あれを私は着ないといけないのか…。


ここまできたらもう着るしかないんだろうけど、私はまだ納得していない。


だってこの学校には史音を始め、禅や狼鬼のみんなも通ってるわけで。


雄吾だってくるって行ってたし!


見られないようにするにしても、いつかはバレるわけで。


メイド服なんて見られたら恥ずかしくて死ぬって!!


そんな私の葛藤を知らないクラスメイト達は次々と決めていく。