次の日、一年生の言った通り、誕生日を祝うことが禁止された。反対する人は多く、これがきっかけで逃げ出したり逆らおうとした人も出てきたけど、最後は皆捕まった。

昼ごはんは給食で、教室で食べている。そういえば、これはどこから入ってきているんだろう……給食センターから運ばれてきて……

「仁意那ちゃん、一年生に呼ばれてる」

そう言われたので廊下に行くと、あのときの一年生がいた。

「脱出した時の話、見つからないように裏山の近くでします」

「わかった」

出来るだけ見つからないように裏山の近くに行く。

「俺らは有刺鉄線がまだ無い時に乗り越えて逃げようとした。俺らのせいであそこに有刺鉄線が付けられてしまった……」

「今は門番もいるし、あそこから出て行くのは難しいと思います……」

成程……警備がしっかりしているからとあいつは油断していないかな……だったら、門番を倒して出ていく作戦も良いかもしれない。

「裏山からも出れそうだけど……」

「無理です。山は暗くて石も多く斜面が急です。刺さりそうな葉が生い茂っているので、自然の有刺鉄線とも言われているんですよ」

自然の有刺鉄線……こっちが対策すれば、追手を遅らせることもできるかもしれない。

「ありがとう。今度脱出しようと思った時は声をかけて」

「もう二度としません!」「もう二度とするもんですか!」「もう二度としねえよ!」

三人とも即そう言った。
今日聞いたことを参考にして、一回脱出作戦立ててみよう。