パパは、過去を語りだした。

「オレと嘉代は、子供の頃からの幼なじみだった。
もちろん、恋愛感情は一切なかった。
中学に入った時だろうか。お互い、今までと違う感情が生まれだした。
その感情が恋愛感情だとは思いもしなかった。
高校に入ってからだろうか。オレ達は、付き合い始めた。
でも…彼氏と彼女の関係で止まらなかった。
二人とも婚した。結婚して半年後、嘉代は妊娠した。」

「嘉代先生が妊娠したのって…」

私が聞いた。

「あぁ、美咲だ。それからか…。離婚話が頻繁に持ち出されたのは…。
嘉代は、子供を望んでいなかったから。
そんな中、嘉代は無事に美咲を産んだ。
嘉代にとっては流産した方が良かったのかな…。
美咲を産んで2ヶ月後、オレと嘉代は、離婚した。
その前に、美咲はどっちが預かるかと話し合いになった。
その時は嘉代は絶対に、美咲を預からないと言い張った。
『望んでいなかったから』と言って…
そうして、オレは美咲を預かった。」

「私は…私は望まれて生まれてこなかったの…?」

私は、泣き出してしまった。

「違う…違うんだ、美咲。
お前が望まれて生まれてこなかったのなら、嘉代は、お前を迎えに来ると思うか?」

「私、来週 嘉代先生と暮らしてみてよく考えて、決断をする。
だから、安心して!私を信じて!」

「私は、みさっきーを信じる!
今日の夜ごはんは、みさっきーの大好きなハンバーグにするよ〜」

ママは、元気よく言った。

ママ、知ってるんだよ。

この空気を変えようと頑張っている事。

安心して…

絶対にママとパパを裏切らないから…