もう一度「涼介くん!!」と駆け寄ろうとしたその時。


クラっと身体の力が入らなくなって、視界が狭くなった。




あれ?どうしたんだろう?




「ひな!?…な、…っ…ひ」



あれ、かのんの声が遠くなって行く。

なんでそんなにあせってるんだろう。






「どけ、俺が運ぶ。」




ガヤガヤとした声が聞こえる。


…涼介くんの声に似てる。




「ったく、迷惑な奴。」



その声を最後に私の意識はプツッと切れた。



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目を開けると、白い天井が見えて、薬品の匂いが鼻をついた。

あれ?私どうなったんだ?



「…ひな?起きた?大丈夫?」



「かのん、ありがとう。大丈夫だよ」


今にも泣きそうになっているかのん。



「あんた熱中症で倒れたんだよ。何してるの全く。」



「ごめん、これから気をつけるよ。」



…まだ少しズキズキする頭。