ケータイ小説 野いちご

海へ...

初めて訪れたカオルの家。

それは、目も眩むような豪邸だった。

カオル……、賢くて強くてお金持ちなのね、素敵。


「カーオルー、カオルー」


あたしは屋敷の前で、何度かカオルの名前を呼んだ。

でも、返事がない。


ダメ元で扉を引っ張ってみた。

ギギギィ……


小さな音がして、扉が開いた。

カギはかかってなかったんだ!


「おっじゃましまーす」


あたしは屋敷の中へと入っていった。

屋敷の中は薄暗く、埃が積もり、あちこちに蜘蛛の巣が張られていた。


「あとで掃除してあげなきゃね」


あたしは思った。


階段の上を見上げると、かすかだけど、明かりが漏れていた。

カオルは、きっとあそこにいる……。


胸を弾ませながら、あたしは階段を登った。

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