ケータイ小説 野いちご

海へ...

「ほら」


カオルはあたしの手にオコゼをにぎらせた。


「ほら、食ってみろ。頭からがぶりと。オコゼ好きだろ?」

「むりだよう」


確かにオコゼは好きだったけど、未調理のオコゼを生で食べるなんてできないと思った。


「それが先入観というものだ」


とカオルはいいながら、手に持ったカレイを、未調理のまま、もぐもぐと頭から食べはじめた。


「わっ……」

「ほらな。食えるだろ。考えてもみろ。刺身だって生で食うだろ。同じだよ。船の上でマグロを食ったときのことを思い出してみろ」


カオルに言われ、あたしはおそるおそる、オコゼに頭からかぶりついた。


…………おいしい。


びっくりした。

お魚って、うろことか取らなくてもいいんだ。生のままかぶりついても、じゅうぶん美味しいんだ!

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