あたしの股間から、血がどぴゅーと出た。

ホストはそれを手でぬぐって、ぺろりとなめた。

「オレ、ヒロシ。ホストのヒロシ。よろしくな」

とても優しい人だと思った。

「あの、あたし、リョーコ。あなたの夢は……?」

「オレは、将来、格闘家になりたい」

ヒロシは優しいだけじゃない。大きな夢を持ってるとあたしは思った。

あたしはどんどんヒロシのことが好きになっていった。


「じゃあな!」

ヒロシは仕事に戻った。

明日も会えるかな?

あたしはそう聞きたかったけど、言いそびれてるうちに、ヒロシの姿は見えなくなった。


あの日が、初めてのセックス。

とてもドキドキした。

なんだかオトナに近付いた気がした。

でも、それから二度と、ヒロシには会えなかった。

あたしも、ヒロシのことをだんだん忘れていった。