「ハア、ハア、ハア、ハア…」



ここは、どこだ?



場所はとてつもなく広く、暗い。

部屋、か?



いや、どうやらとてつもなく大きな
チェスの盤上のようだ。



位置は恐らく真ん中だ。


頭の方は白。足の方は黒。

なぜこうなったのか、一連の事件を
思いだすが、ここに来た覚えはない。



まさかとは思うが、ここは地獄…?



そもそも私は……死んだの、か?



それとも…生き残った、のか?




頭が、痛い。


苦しくて、体が動かない。

あぁ、お腹がとてつもなく痛い。


熱く、焼けるように、
そして抉られたかのように。


痛みを忘れるしかなかった。

そうしないと、気が狂いそうだ。


なぜこうなったかはよく分からないが、
原因となったものらしき記憶を
鮮明に思いだすことにした。




私の名は
シャロン・フォスター(Charon・Foster)。


イギリスの生まれで
現在(1888年)16歳、容姿は黒髪碧眼。

周りが言うには美人らしいのだが、
まあ、両親のことを考えれば、
常人よりはいいだろうと思う。



私は伯爵の娘で、要するに……貴族だ。



恐らく昨日か一昨日、そのあたりに
奴らが来た。


刺客だ。



奴らに、お父様とお母様、そして、
私も殺された。