どうか無事に1週間が過ぎる事を願いながら、起ち上げたパソコンにUSBメモリーを差し込んでると、電話がなった。

私への直通電話。



「木ノ島刑事――…」



『難波愛依さん、ですか?』



「そうですが」



一瞬、誠君の顔やネットでこの電話の番号が流出してる事を思い出したが、電話の相手は女性。

警戒心は解けた。



『私、黒田斗志樹の恋人です』



「……はい?」



しかし、耳を疑うような言葉に、身体が硬直。

彼女って、私じゃないの……?



『斗志樹を、返して下さい』



「ちょっと待って下さい。仰ってる事の意味がわからないんですけど……」



『わからない?貴方、斗志樹の事を振り回してるんですよね?斗志樹、返して下さい!』



「何のお話か、要領を得られないんですが……」



逆探知のスイッチを入れながら、イタズラか調べるも個人宅に反応してる。

課長室の斗志樹を見ると、視線に気付いたのか目が合った。



『“何してるの……!寝てなきゃダメじゃない!”だって、斗志樹が変な女に!“斗志樹君と貴方は何でもないのよ!”でも……。でも!!』



「…………」



イタズラ何かではなく、本当に知り合いからのようだ。

しかし何かがおかしく、電話を切られた為、受話器を下ろしながら呆然。

彼女は斗志樹の何なのか。

斗志樹のお父さんは、私たちの付き合いに何の反対もしなかったけど、電話の相手も長い付き合いがありそうだ。