「――やあ、初めまして。僕は死神のネルロ。終わりを迎える者を死後の世界へと案内する、しがない神さ」
少し高めの透き通る声で、ネルロはそう言う。
翼の動きが緩まり、ベッドの横へと下り立った。
ふわっと空気が揺れる。
なぜか少し生暖かかった。
「ネルロ・・・。君が僕の前に現れたということは、僕の命がもうすぐ終わりを迎える、ということだね」
自分が驚くくらいの弱々しい声で、そう返す。
もう声を出すのもしんどいくらい、僕の身体は衰弱していたから。
身体ごとネルロに向けるだけの体力がなくて、顔だけを横向けてネルロを見る。
その表情からは、悲しんでいるのか笑っているのかさえ分からない、曖昧な表情だった。
「僕を見て驚かないのは君が初めてだな。……そうか、君はもう受け入れているんだね?自分の運命を」
ネルロは僕の頭を撫でる。
髪の上からでも、氷のように冷たいのがハッキリと伝わった。
「受け入れるしか……ないだろうね。こんな状態から元気になる方が難しいと思うよ」
「君は死を恐れているかい?」
「それは物凄く。今までの人生もほとんどがベッドの上で寝ているだけの毎日だったから、死んだのと同じようなものだけど、それでも、見るものが、聞くものが、感じるものが全て無くなってしまうのは、なぜだか怖いと思ってしまうんだ」
少し高めの透き通る声で、ネルロはそう言う。
翼の動きが緩まり、ベッドの横へと下り立った。
ふわっと空気が揺れる。
なぜか少し生暖かかった。
「ネルロ・・・。君が僕の前に現れたということは、僕の命がもうすぐ終わりを迎える、ということだね」
自分が驚くくらいの弱々しい声で、そう返す。
もう声を出すのもしんどいくらい、僕の身体は衰弱していたから。
身体ごとネルロに向けるだけの体力がなくて、顔だけを横向けてネルロを見る。
その表情からは、悲しんでいるのか笑っているのかさえ分からない、曖昧な表情だった。
「僕を見て驚かないのは君が初めてだな。……そうか、君はもう受け入れているんだね?自分の運命を」
ネルロは僕の頭を撫でる。
髪の上からでも、氷のように冷たいのがハッキリと伝わった。
「受け入れるしか……ないだろうね。こんな状態から元気になる方が難しいと思うよ」
「君は死を恐れているかい?」
「それは物凄く。今までの人生もほとんどがベッドの上で寝ているだけの毎日だったから、死んだのと同じようなものだけど、それでも、見るものが、聞くものが、感じるものが全て無くなってしまうのは、なぜだか怖いと思ってしまうんだ」