ケータイ小説 野いちご

僕と死神とその煌きを

……僕の命はあと少し。


お医者さまは何もいわないけれど、その曖昧な表情で何となく理解できる。


最近は苦しくなることが多くなった。

身体を起こしていられる時間は、もうない。



白い布の上に身体を横たわらせて、ただ無機質な天井を見つめるだけ。



少し前まで、僕は死に対してとてつもない恐怖を抱いていた。

そんな弱虫の僕に、勇気を与えてくれたのは、僕の前に突然現れた一人の男。



その男は横たわる僕の目の前にいきなり現れて、僕を見下ろしながら優しい笑みを浮かべている。

背中には灰色の翼が生えていて、小刻みに上下していた。




――人間じゃない。


それはすぐにわかった。




けれど、その男に対しては、何故かなんの恐怖も湧かなかった。




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