…お決まりの体育館裏に呼び出された私は、いつもの四人の女子に取り囲まれていた。

「あんた、本当懲りないよね?」

リーダーの子に言われ、考える。気に触るような事をしただろうか?

いや、全然心当たりがない。

「同じクラスの啓太と、仲良くしてたわよわね?」

「…え??」

啓太とは、私と同じクラスのイケメンな男子。隣の席で、普段は喋ったこともないが、今日初めて喋った事を思い出す。

数学の時間、居眠りしていた啓太は、私にノートを借りたのだ。

でも、ただそれだけ。それからは、口も聞いていない。

ただそれだけの事なのに、彼女達にしてみれば、十分イジメる理由になるのだろう。

グチャグチャ文句を言われて終わりだ。

すぐに終わる。そう思った瞬間、私はその子に押し倒されていた。


「啓太と話すなんて最悪!啓太は私の彼氏なんだから、二度と話なんてすんな!」

そういったかと思うと、右手を振り上げた。打たれる。私は瞳をギュッと閉じた