あたしは和希くんの胸に飛び込んでいた。


冷静に考えたら、なんて大胆なんだろうと思うけど。


抑えきれなくなった想いが行動に出ちゃたんだ。


資格なんて、関係ない。


どんな家柄だとか、親がどうだとか。


「ずっと、逢いたかった……」


本郷和希という人が、あたしは、好きなの……。


「俺も……逢いたかったよ」


和希くんは、あたしをしっかりと抱きとめてくれた。




未来のことなんてどうでもいい。


ただ、今はそこにある温もりだけを信じられれば。


ほかに何も、要らなかった。