星占いはなんとなく、当たっていた。


朝食の目玉焼きは、黄身が二つだったし、お弁当には僕の大好きな唐揚げが入っている。



嬉しいこと続きだった。


まぁ些細なことだと言われればそうかもしれないけれど。



結局、いつもより少し早くに家を出た。


そして、なんとなく昨日の分かれ道に差し掛かると、辺りをキョロキョロと見回してみる。



「・・・いるわけ、ないよね」



昨日、先輩と一緒に帰った分かれ道。


先輩が向こうからやってこないかな、なんて期待に胸を膨らませてはみた。


でも、やっぱり、そんな偶然なんて、あるわけないか。



「あれ?君、今日は早いのね」



諦めて先を行こうとすると、後ろから足音が聞こえてきたので、ゆっくりと振り向いた。


なんと、そこにはまさかの先輩。



すごい!本当に先輩に会えた。



女子が星占いに夢中になるのもわかる。やっぱり当たっていたら嬉しい。



会えたことが嬉しくて、小走りで先輩に駆け寄る。


嬉しい。早起き万歳だ。



「おはようございます!」



「おはよう。最初、君が見えたから、思わず時間を確認したわよ。君、遅刻常習犯だもの」



「今日は、本当に目が覚めたんです。でも、早起きして良かった。いいことづくめです」



さりげなく、隣を陣取り歩幅を先輩に合わせて歩く。


昨日とは違う気持ち。



やっぱり、僕は彼女が好きだ。


こうやって、隣で笑顔が見られると幸せだし、あんな切ない表情はさせたくない。



もっと、僕の隣で笑ってほしい。