結婚しているお姉ちゃんに非道徳なことをさせたくないのに、それでも……。


……って、あたしは何を考えてるんだろう……。



和希が靴を履いて玄関を出て。


それに続いてお姉ちゃんも揃えられたパンプスに足を通して。


「菜月さん、もしかして……」


テルさんが、ポツリとお姉ちゃんに言葉を落とした。


……え?


それはお姉ちゃんの耳にもしっかり届いていたようで、少しハニかんだお姉ちゃんは、テルさんを見上げ。


「ええ……いま、3ヶ月」


お腹にそっと手を当てた。