ケータイ小説 野いちご

櫻の園


ザァ…ッと風が吹いた。そこには生まれたての匂いがあった。

パラパラとめくれる茶色く変色したページ。

あたしの髪が、視界を掠め取るように真横になびく。


何かが変わる気がした。それは根拠のない確信で、はっきりした予感だった。





この時あたしは、まだ知らなかった。



これから起ころうとすることも、


今までに起こったことも…何一つ。



この一冊の台本との出会いが、


あたしにとって一生忘れられないものになるということを。







『桜の園』

平成9年6月

櫻華学園高等学校演劇部創立記念公演







【脚本・演出 坂野佳代】
















.

< 40/ 193 >