それから俺は人を滅多に入れない総長室に連れてきた。



ここなら少しは楽にできるだろう。



「ここが俺の部屋」



ここは俺がひとりで考え事とかができる場所だ。


愛優は恐る恐る部屋に入った。


なんもしねぇっつーの!


「案外、綺麗なんだね」


なんて言ってきやがった。


ったく...案外ってなんなんだよ、案外って


「お前、ほんと俺をどんなやつだと思ってんの?」




「どんなって、俺様で自己中しかないでしょ」


上から目線も何も変わってねぇ。


ズバッと迷わずその言葉を発することにもびっくりだ。




マジで調子狂う。

ムカつくんだよ...

俺はそういって軽くアイツのおでこにデコピンをした。



「いたっ、なにすんのよ!」


大袈裟なやつだ。


「お前が悪い」


そういってスタスタ部屋に入っていく。


アイツはオドオドしながら俺についてきた。


「涼介...普段はあんなやつじゃないから。もっといいヤツなんだ。でもあんまり人を信用してないつーかなんか俺も信用されてるかわかんねぇしな」



俺は部屋に入るなりはそういった。



涼介だって、俺の大切な仲間のひとりだからな。


でも、あの言葉は傷ついただろう。


「わかってるよ、そんなの見てたらわかる。でも翔琉のことはきっと信用してるよ」



そんなこと言われるなんて思ってもなかった。


自分だって傷ついたはずなのに。