「考えの答えとなる地図は、あんたが持ってる。俺はそれについてく。あんたが道に迷ったら、俺はあんたが行きたい出口の方向を示すだけ」
「何それ…変なの」
あたしは思わず笑ってしまった。
ウィンがムッとしたのがわかる。
「…でも、わかりやすいわ」
「だろ?」
ウィンの表情は、不敵な笑みに変わる。
うん、ウィンのこの顔、嫌いじゃないかも。
「では俺は、姫様をピンチから守る防災頭巾ってとこですかね」
「防災頭巾って…」
ライトがにこにこと言うのもおかしくて、あたしはまた笑う。
そんなあたしを見て、ウィンが問いかけてくる。
「で?あんたの地図は今どうなってんだ」
あたしは笑うのを止め、ウィンをじっと見た。
実際に他国からのスパイがこの城にいて、あたしが王になったことを知られた。
そして、もう二週間以上が経つ。
それなのに、他国は一切干渉してこない。
王が代わってどうでもよくなったのか、それとも攻め込む準備をしているのか。
…こっちの出方を伺っているのか。
「まず、メノウ交易官と話すわ。後はそれから考える」