「光来。そんなに力入れたら手痛いよ」


「……だって」



そうしとかないとこのまま消えて居なくなってしまうんじゃないかって思うくらい……優羽の手は冷たかった。



必死に冷たい手を握り締めるわたしに、優羽はクスクスと小さく笑う。



「光来の寂しがり屋」


「……じゃあ離す」


「ダメだよっ」



からかわれたのが悔しくて、拗ねて振り払おうとした手を優羽が更に力を入れて離さない。



肩にもたれたまま目を閉じた優羽に、ちょっとだけ頬を寄せた。




離す、なんて言ったけどそんなのホントは無理だよ……。



わたしは優羽に触れたい。


そして。

今まで優羽が触れてきた女の子が、優羽の中から消えてしまうくらい……わたしは優羽に触れられたいんだから……。