あたしは、恭の手に自分の手を重ねる。


そして、頬に触れるその温もりに頬擦りする。



そこにはもう、躊躇する気持ちなんかなくて、


ただただ、この人の優しさに身を預けてしまいたいと、



今ならそう出来ると、心からそう思うから……




────「恭…………助けて……」





恭は、一瞬切な気な表情をすると、涙が溜まったあたしの瞳に優しいキスをした。


そして、またあたしに向けられたその顔は、どこか力にみなぎった表情をしていた。




「何も心配すんな。

茉弘も、茉弘の大切なモノも、
全部俺が守る。」




頼れる誰かがいるという事は、こんなにも心強くて幸せな事なんだ……。



またあたしをきつく抱き締める恭の腕の中で、そんな事を思いながら、


いつまでもその幸福にすがっていたくて……




「恭……ごめんなさい……


好き……大好き……」




貪るように、恭にしがみついていた───