ゾクッとした身体は
変に熱を帯びていた



『…こや、ま…かちょ…』


違う意味で泣きそうになっていた私
目の前にある小山課長の顔が綻んだ


「ちゃんと言わなきゃ伝わらねえ」


わかっているくせに、と
言いたいけど言えない

あー、やっぱりそうなんだと観念する



『…は、離れ、たく…ありません』



これが精一杯だ
顔が熱い、多分、茹で蛸状態だ


「恋愛初心者のお前にしたら、頑張って言った方なのか?」


うん、うん、と激しく頷く
けど小山課長は不満だったらしく
ふーん、と声が聞こえてきた



なら聞くが、と私の頬を両手で挟み
無理矢理視線を合わせた


「俺の事、好きになった?」



どうしてこの人は、こうなんだろう
なんなの?その嬉しそうな顔
いつも無愛想なのに…反則だよ、