私の姿が無いことに不審に思ったご近所さんたちは母に尋ねたそうだ



「あの子は私の子供じゃ無いから」



母はそう言ったと…
確かに父に引き取られた
けど、私にとって祖母は
母親代わりだった
いや、母親だった


初めて、母を憎いと思った
もう二度と、母に会わない
母は、母親ではなく他人だ



それから私は本当に一人になった
祖母が生きていてくれたから
まだ家族がいたから…

けど今は違う
それからだ、現実逃避をし始めたのは…


今では仲良しの陽子でさえ
始めのうちは、壁を作っていた
けど、陽子はその壁を
壊してくる人だ
何度作っても、壊してくる
だから、陽子にだけは
壁を作るのをやめた


そして、その壁を
小山課長も壊そうとしている事に
少しながら私は気づき始めていた