そう思って、すげぇ心強かった。 この男は、信用出来る。 そう思ったんだ。 俺は、この男に妙な期待をしてしまっている。 "もしかしたらこの男が、俺ら兄弟をまた光の元へ連れ出してくれるかもしれない。" なんて。 大袈裟かもしれないけど、本気でそんな事を考えてた。 俺に一つ微笑みかけて、片手を挙げながら暗闇の中に消えて行く栗山を見ながら、 俺は頬を伝った温かいものに、そっと触れた。