ついさっきまで、食べてたから、お腹はすいてなかったけど。
ちょっとのどは乾いてるかもしれない…。
目の前にいる彼は、よく見るとずいぶん若く見える。
背が高い上に、帽子をかぶって、メガネをかけてるから、表情はよく見えないけど、決してふざけているような人には見えなかった。
それに、こんなに真剣に言ってくれてるくらいだもん。
悪い人ではないのかな…?
どうせ、朝まで時間を潰さなきゃいけないわけだし…
ちょっとくらいなら…。
どこかお店だったら、別に危険なこともないしね、よし…。
「じゃあ、少しだけ」
そう私が言うと
「どこ行きましょうか?」
彼はほっとしたような顔をした後、ニコッと笑って、そう言ったんだ。