次の日、約束通り同じ電車に乗ることができ、私たちはなぜこの高校にしたとか、なぜこの学科を選んだとかで盛り上がった。
菜穂と私の弟もまた同年代だと知って、姉弟あるあるなんかも話した。
次の日もその次の日も、私たちは登下校を共にした。
そのうちもちろん他にも友だちができていったので、自然の流れなのか同じクラスにいながら、私たちは校内ではあまり行動を共にしなかった。
お弁当は時々一緒に食べたけど、たいてい菜穂は他の子とおしゃべりに夢中だった。
私も別に菜穂しか友だちができなかった訳ではないので、彼女にとってはこれくらいがちょうどいい距離感なのかなくらいに思っていたのだ。
けれど時々、遠くにいる菜穂から殺気に満ちた視線を感じた。
ただ視線に気づいて振り返るとまた無邪気に笑うので、気にしないよう努めた。