「性格の悪そうな姫さんだったなあ。オレ、あんな女の子嫌いだよ」


お城をでて、城下町の外にある森の中、小さな湖の前にパメラの家はありました。
石造りのお家はあまり大きくはないですがとても頑丈で、冬は暖かく夏はとても涼しく過ごせるのでした。

そのお家の一部屋をもらい、ベッドに腰を下ろしたところで、水晶の精霊が姿を現し、文句を言ったのです。


「あらそうかしら? 私はとっても綺麗だと思ったわ。昔、絵本で読んだお話のお姫様そのものだったもの」


キラキラとしたドレスをきて、小さなティアラをのせた先程のグラディス王女は上品で可愛らしくて、レオノーラは思い出して溜め息をつきました。


「あんな白粉臭い女なんかより、レオノーラのほうがよっぽど綺麗さ!」


「あら。ありがとう、リュイ。とっても嬉しい」


レオノーラは精霊の頬をちょんとつつき、リュイと呼ばれた精霊はつつかれた頬を撫でてにこっと笑いました。