「……ゆづ」

微かに声のようなものが聞こえた。
空耳かと思うくらい微かな、息が漏れただけのような、そんな声。

「……レン?」

結城に声をかけると、眩しそうに目を開けながら、もう一度私の名前を呼んだ。