「いつ行くの?」


「明々後日、休みもらったから行ってくるよ」



明々後日…そんな急なんて……
やっぱり何かおかしい。


探るようにシュウをジッと見つめる。


普段と何ら変わらないシュウ。
今だって、平然とコーヒーを飲んでいる。

だけど、その姿が逆に私には怪しく思えてならなかった。

……平然とし過ぎだよ。
私にはわざとそう装ってるように見える。
検診を受ける事を急いでるような、私に何か隠してるような。

そんな感じがする。



「そんな顔すんなって。ただの検診だから」


「……私も行ってもいい?」


「いいけど、行ってもつまらないよ」


「それでもいい」



こんな気持ちで一人で待ってなんかいられない。

ジッとしてなんていられないよ……



「わかった。じゃあ一緒に行こうか」



仕方ないな、と言わんばかりにふぅと息を吐くと、シュウはそう言って私の頭を乱暴にグリグリ撫でた。



◇◆◇


三日後、私達はとある総合病院に来ていた。

ここは私達が元々暮らしていた街にある一番大きな総合病院だ。
シュウが入院していた所とは違うけど、この病院には哲二さんの元同僚の心臓外科医がいるということでこの病院に来た。

私が母親と暮らしていた地獄のアパートも此処からバスで数駅行った所にある。



「立花さん。立花秀太さん。三番診察室へどうぞ」



放送が流れると、シュウは「行ってくるな」と、笑顔を見せて診察室に入って行った。