それから3年。

あれから、何度か橋の方に行ってみたけど、一度もあのこに会うことはなかった。

あの書類はあのこのものではなかったのか、、

そんな考えさえよぎった。

まあ、いまさらこんな紙切れ必死に探してそうにも思えない。



それよりも、ただあのとき、10メートル先で見ただけの女の子を、いまだ忘れずにいる自分に驚いていた。



書類に目を通す。


書類にかかれた、アパートの契約者の名前。

そっと、口にでる。

「……崎島なつき。か。」


今頃、またドジしてんのかな。



タバコの煙が、無駄に晴れ渡る青色の空に舞う。

「味、しねぇな。」





それから、彼が、彼女とまた出会うのは、そう遠くない話。