佐伯くんは家から大学が近いということで実家暮らし。そしてひとりっ子。


何度か佐伯くん家には行ったことがあるけど、泊まりは初めてのことで。




「い、いいの?私が行っても…」



緊張も不安もたくさんある。





でも、そんな私に佐伯くんはクスクスと笑い始めた。



「いいも何も、俺、ミユに来て欲しいから誘ってるんだけど?」


さも可笑しそうに、でも楽しそうに笑う彼にドキッとさせられてしまうのはいつものことだ。





「じゃあ…、行きたいな」

「うん。おいで」



こうして、私は彼の家に泊まることになった。