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5年前。


俺は大学院の卒業を間近に、論文に追われていた。


特に何がしたいわけでもなく、進んだ院。


頭は当時からかなりよかった。



だから、その頃から誰かのしたにつこうとは思っていなかった。


卒業後は、学生時代から製作していたネットワークプログラムの延長の会社を建てた。

勿論、最初は小さい事務所から。


そこから、大きなビルになるまではそう時間はかからなかった。


あっという間にでかくなった会社を支えるのは、28の若手。
この肩書きだけでも充分目立った。

何でも手に入った。
けどそれは、全部俺がほしかったものじゃない。
うわべだけのものだった。

精神的にはだいぶ疲れていたと思う。


そのせいか、当時から俺は相当性格がひねくれていた。


ひねくれている自覚はあったから、これじゃダメなのもわかってた。


だから、そのぶん表には出さないようにしていた。