「十夜、ごめんってば。9人でも11人でも一緒だよね」


「………」


「もう笑わないから」


「……嘘つけ」


寝転がっている十夜の上に上半身を乗っけると、十夜はどこからどう見ても拗ねていて。


そんな十夜を見るとやっぱり緩んだ頬は戻りそうにない。


形勢逆転、かな?


そう思った時だった。



「──その余裕、今すぐ無くしてやろうか?」


それはまさに一瞬の出来事で。


クルリと身体を返したかと思えば直ぐ様両手を捕らえられ、気付いた時にはもうさっきの体勢に戻っていた。


「ちょ……十夜!?」


可愛い十夜はどこへやら。


さっきの十夜は幻だったのではないかと思う程の変貌ぶりに呆気に取られる。



「十夜!」


ちょ、嘘でしょ?さっきもうしないって言ったのに。


射る様な視線を向けられた後、まるで先程の続きだとでも言う様にあたしの首筋を這っていく十夜の唇。


クイッとスエットの襟をずらされたかと思うと、露になった場所へ十夜の唇が少しずつ焦らす様に下りていった。


その唇が辿り着いたのは、下着スレスレの場所。


「……んっ、」


胸元でチクンと甘い痛みが走り抜け、その痛みに思わず洩れる声。


「今日はこれで勘弁しといてやるよ」


その声に強く瞑っていた目をそっと開ければ、視界に飛び込んできたのは十夜のしてやったり顔。