「この感情はこの先きっとお前にしか抱かない」


「十夜……」


至近距離から降り注ぐ熱い眼差し。


その突き刺す様な眼差しに段々と身体が熱を帯びていく。



「だから、ずっと──」


──その先の言葉はあたしの口腔内へと消えていった。


まるで全てを奪い尽くすかの様なキス。


それは決して乱暴なものではなく、とても甘くて優しいもの。


痺れる様な快感と二人の間から洩れる微かな吐息に酔いしれながらうっすらと目を開ければ、熱を孕んだ漆黒の瞳と目が合った。


激しい羞恥に襲われ、余りの恥ずかしさにキュッと強く目を閉じる。


すると、こっちを見ろと言わんばかりに何度も唇を啄まれ、それと同時に十夜の指先がなぞる様にあたしの指に絡みついた。


それが更にあたしの羞恥を煽り、思考を遮断させていく。


「凛音……」


息継ぎの合間に零れる十夜の掠れた声。


「十夜……?」


そして、羞恥を煽る小さなリップ音。


気付いた時には十夜の唇が首筋へと滑り落ちていて。


「ちょ、十、夜……!」


流石のあたしもこれには覚醒した。


慌てて十夜の両肩を押し上げ、キュッと口を結ぶ。