ていうか佐伯くん、私の漢字知ってたんだ。


学部が違うから知らないと思ってたんだけど。




でもまぁ、"深雪"って漢字を知ってもミユだと信じてくれてるみたいだし。



結果、よかった…のかな。


うん、よかったんだよね。




「ん?ミユ?俺何か変なこと言った?」

「へっ?あ、いや全然 ⁉︎ ごめんね、ちょっとボーっとしてた…!」

「クスッ。今日のミユはボーッとしてるね」

「あはは…そうかな?」




ねぇ、こんな惨めな嘘をついている私をあなたはどう思いますか?




ごめんね、佐伯くん。

それでも、私は傍にいたいの。


だから…。




あなたを騙しているという罪悪感には…気付かないふりをさせてください。