大次さんは、王子様のようなスマイルでニッコリ笑うと


「……出世できないって??だれが??」




私を壁まで追い込み、両手で壁に手をついた。


初めてされた夢の壁ドンは

ドキドキキュンキュンとはかけ離れた

脅しみたいな壁ドンでした。


やばい、足がすくんで声も出ない。
悔しいけど、なんかこれ以上言い返したらまずい気がする。


急に大次さんの真っ黒な髪が、当たりそうな距離まで顔が近づいて少しビクッとする。

余裕そうな顔で彼は

「何も言えなくなって、やっぱガキだな、お前。いじめがいある。」

そうつぶやくとと流れるようなしぐさで顔を近づける。

あ、、、目、綺麗。


こんな状況なのに、こんな余裕な感想なんか思える私は確かにお子様なのかもしれない。
でも、大次さんの目は
なんていうか、強い黒い目だった。


途端、私の唇になんの断りもなく、柔らかいものが口付けられる。

それが、大次さんの唇であることは言うまでもない。

そして、その行動に私が激しく赤面したことや、言葉を完全に失ったことは更に言うまでもないだろう。

「///////!!!!!!!????!△◎□○◯☓!!」




恥ずかしながら、二十歳でやっとの初キスを


いま、目の前で悪魔に奪われました。


動揺で、悪魔がさり際につぶやいた事なんて聞こえなかった。


「また、明日な、なつき。」

なんて。