路地裏の隅々にまで目を光らせながら、夜の街を歩く巽。

そのサングラスの奥の眼が、ある光景に留まった。

セーラー服姿の黒髪、前髪パッツンの女子高生が、数人のチンピラ風の男達に肩を抱かれて歩く姿。

どう見ても不釣り合いな年齢差。

女子高生の方は、好き好んでチンピラ達と歩いているようには見えない。

それにあの女子高生、確か知り合いの探偵事務所に入り浸っている夏目 雛罌粟(なつめ ひなげし)ではないだろうか。

何でこんな時間、こんな場所に?

何にせよ、見過ごす訳にはいかなかった。