「……………そうだ。
そういえば…私がピアノを続けてたら
子犬のワルツ教えてって私が言ったんだ。」
そうじゃん。だから私子犬のワルツ弾かずに…
無意識に待ってたんだ。
「じゃあそれ思い出して弾けよ。」
「うん!」
技術面ではもうほとんどなにも言われない。
言われることは表現力のことばかりで
それさえもこうすればいいってアドバイスをくれる。
「まぁまぁだな。
あとさ、両親のことも思い出せ。
昔、遊んでもらったこととか。
辛いことじゃなくて、楽しかった思い出を。」
「うん、わかった。」
私はそれからも何回も何回も弾いた。