「まあ、ここにいるよりはきっと幸せになれるだろうから、あたしについておいで。
分かったね? 魔術使いとして力をつけたらいつかはまた両親に会いに行けるよ」


「本当ですか!?」


レオノーラは思わず身を乗り出しました。

パメラ様の弟子になったら、もしかしたら私も魔術使いになれるのかしら。そしたらきっとお金持ちになれるわ。

たくさんの金貨を持って、あのお家の戸を意気揚々と叩く自分の姿が思い浮かびました。笑って出迎えてくれる、お父さんとお母さんの顔も。


「パメラ様、私を弟子にして下さい!」


パメラがにっこりと笑うのが分かりました。頬のシワが微かに持ち上がる程度でしたが、レオノーラにはちゃんと分かりました。


「よしよし。じゃああたしの言うことをよく聞いて、いい子にするんだよ。さあ、領主の館が見えてきた。
お前はこれから黙っておくんだよ。いいかい、一言も喋ってはいけないよ?」


レオノーラは口をしっかり閉じて、力強く頷きました。