ーーカサッ



背後にある草影から物音がした。




それは麻里子にも聞こえていて、ピクリと動いた。




俺と麻里子は顔を見合わせ、音がした草影に視線を変える。




あれから特に何も音は出なかった。



「動物、かな?」



「かもな」



ここは森。



動物なんて沢山いると思い、特に気にしなかった。



誰かに見られていたとは、全く思わなかった。



俺は麻里子と一緒に帰り道を歩んだ。