「……そんなこと言ったって先輩だって朝比奈先輩と仲良いですよね。先輩こそイチャイチャしてたじゃないですか……」


「そっちこそ見てたの?イチャイチャって、するわけないだろ。こっちはもうとっくのとうに終わってんの」


「こっちは始まってもいません!!」


「……わかったよ。あ、俺こっちだから。じゃあ」


「あ、先輩……!」


そう言うと先輩は私の言葉の振り向きもせず、曲がり角を曲がってしまった。


明日で最後なのに……
なんで……こんなこと言っちゃったんだろう。


涙で視界が歪む。


先輩のこと本当に大好きなのに。


どうしてこんなに空回りばかりなんだろう。


先輩の姿はもう見えないのに、私はその場からどうしても動くことができなかった。