『フィオネ……お前には、幸せになって
欲しいんじゃ。


わしといた頃には出来なかった思いを、
たくさん感じて生きて欲しい。』





ジェノバは、私を見つめながら
にっ、と笑った。





その言葉に、私は自然と頬に涙が伝った。





「ジェノバ……私…。
ずっと会って謝りたかったの。


あなたを殺してしまったのは、紛れもなく私…。




ごめんなさい…ジェノバ。

死に目に会うことも出来なかった。」






私は涙をぽろぽろとこぼしながら言った。




呼吸がうまく出来ない。





ジェノバの胸に顔をうずめる。




ジェノバは、懐かしい、優しい声で私にささやく。





『フィオネ。もうそのことはいいんじゃ。

わしは、フィオネがいてくれたおかげで楽しく余生を生きれた。

それだけで十分じゃよ。』





ジェノバ…



ありがとう。




私の一番大切な家族。





『これからも、ずっと、フィオネのことを見守っているからな。』





ジェノバは、私の頭を撫でながら言った。