コツンとガラス製のコップが音を鳴らした。




病人とは思えないほど元気に食べ、元気に喋るまやを見て思った。




なあ、親父、おふくろ。見てたか?俺らを。




彼女がいたから俺らは勝てた。




彼女がいたから俺は信じきれた。




彼女がいたから仲間というものができた。




彼女がいたから俺は今笑っていられる。




彼女は勇者だ。




俺に対しても。




みんなに対しても。




だから俺らは勝利の旗を掲げられた。




そんな俺らを祝うように、空模様は元気に晴れている。





「…ありがとう、まや」




俺は小さく呟いた。





そんな呟きは騒いでいる彼女には全く届いていなかった。