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13年前、世間を騒がせた幼児誘拐殺人事件。


狙われたのは小学1、2年生。


幼稚園や保育園の様に親の迎えがあるわけでもなく、子供だけで下校する年齢なのだがまだまだ小さな子供である彼ら。


彼らは親の目が離れているからこそ、簡単に誘拐出来てしまう。


最初は哲夫も、ただ下校している子供を見ているだけだった。


無邪気に笑いあって下校する子供達。


その中の1人が道にあった石につまづいて転けた時、大号泣し出したのが哲夫の押してはいけないスイッチを押したのだ。



なんて、いい顔をするんだ。



そう高揚する気持ち共に、その号泣している子供の顔が哲夫の頭に焼き付く。


そして、もっとそんな顔を見てみたいという欲求から、子供を誘拐したのだ。


先ずは、誘拐した子供の目は涙が溜まり、綺麗で穢れのない宝石の様なその眼球をサバイバルナイフで壊す事に快感を覚えた。


そして、最後に胸の中心にサバイバルナイフを深々と突き刺し命を壊す。


真っ赤な血に染まり動かなくなる子供を目にした瞬間、

ああ。……満たされる。

そう哲夫は感じたのだ。