頬がヒリヒリする。




ビンタされたと気づくまで時間はかからなかった。




あたしはすぐに外に駆け出した。





あたり一面真っ暗で、満月のはずの月は雲に隠れている。




ユウの家から随分離れると、我慢できなくなった涙腺が崩壊する。





ポタポタと地面に落ちる雫。





あたし、演技うまかったな。なんて自己採点して。





「みんなのことっ、忘れないよっ!!あんな思い出、忘れられないよっ!!」





忘れないよ、絶対に。





あたしはどんどん森へ向かう道を進み出した。