「フィオネ……もう、ナイトメアを止められるのは…オーランドの血を引いているお前しかいない…。




フィオネが…奴を倒すんだ…。」






その言葉に、私は目を見開く。





「私……が?」





ゼロは、こくん、と頷いた。





「む…無理よ!魔法なんて使い慣れてないし今までだって偶然使えたようなものだもん!



倒すって言ったって、国の王であるオーランドでさえ、封印するのが精一杯だったのよ?



それより難しいことを、私が出来るなんて思えないわ!」




私は、泣きそうな声でゼロに言った。





ゼロも側にいないのに…!



一人でできる自信なんてない…。






すると、ゼロは私の目を見ながら

「大丈夫だ…フィオネなら出来る。」

と苦しそうに呟く。





「なんたって…お前は俺の“相棒”だろ?
もう…俺が居なくても…一人で戦えるよ」






ゼロの言葉に、私はまた涙が溢れた。





出来ないよ……!





私は、今までただの人間として生きてきたんだもん。





魔獣と戦った経験なんて一回しかないし





それも、最後にトドメを刺したのはゼロだ。






「…私、やっぱり出来ない…!





魔力だってナイトメアを目覚めさせるのに奪われて、もう少ししか残ってな…………」

















私がそう言った瞬間、
ゼロが私をぐい、と引き寄せて











ゼロの唇が私の言葉の続きを制した。