ケータイ小説 野いちご

君の隣でクリスマスを祝う

「お待たせしてすみません」

 レストランに入ると、日向は既に席に着いていた。

 普段よりいくらかカッチリとした格好をした日向は、とても見栄えが良かった。スタイルの良さもあってかなり人目を引いている。

「あなたは時間通りですよ。僕が早く着きすぎたんだ」

 この前のように、日向の纏う雰囲気は柔らかく、彼が零した微笑みに微かに胸が音を立てた。

 食事は美味しく、お酒も入り、私たちの会話は弾んだ。

 しかし、やはりこの場で仕事の話をするのは不粋な気がして、私は意識してその話題を避けた。

 夏の終わりまでの張り詰めた日々が嘘の様だった。仕事以外の場で見る日向は、話題に富み、然り気無い気遣いもできる大人の男だった。

 気がつけば、あっという間に時間は流れていた。


< 14/ 53 >