「か、なと…」


「由茉、ありがと。

俺嬉しかったよ。

俺のために怒ってくれて。

俺から離れないって言ってくれて。

俺のことわかってくれてて。

由茉が姫でよかった。

やっぱ美波と湊に狂いはなかったんだな。


ありがとな。俺由茉がだいすき。」



「……うん…。」


私は泣いてなにも言えなかった。

いつまでも哉斗の胸で泣いていた。

しばらくして泣き止んで哉斗から離れた。


「みんな、ホントにありがとね。」


「気にすんな。」


湊は私の頭に手を乗せた。


「それより…あれ、どうする?」


爽は倒れた男たちを見た。


「俺も殴りたかったな~。」と湊。


「プール落としとく?」


なんとも怖いことを言い出したのは笑顔の颯。


「それはさすがに…」と私が止めた。


結局私たちは男2人を放置してプールを後にした。


「はい、由茉の上靴!」


「颯、ありがと。」


私は時計を腕にして、

上靴を履いて校舎へ戻った。


私は目が腫れてたので、

みんなで授業をサボることにした。