「……なぁ、りっちゃん」


「何?」


ぽつり、と凛音を呼ぶ彼方。


その呼び掛けに凛音は嫌な予感がしながらも返事をした。


今までの経験からして、彼方の発言で良かった試しがないと凛音は分かっているのだろう。


「あのさ……」


「うん」


珍しく真剣な彼方。


その表情に隣にいる陽までゴクリと喉を鳴らした。



「もしかして今ノーパン?」


「……は?」


「は?」


彼方から飛び出したのは思ってもいない言葉。


「……え?今なんて?」


「いや、だから、りっちゃんのパンツそこにあるじゃん?って事は今ノーパンなのかなって思って」


「……っ」


さっきからずっと気になってたんだよな、と満面の笑みでそう言う彼方は最早変態にしか見えない。


一方問い掛けられた凛音はと言うと、口を半開きにして顔を真っ赤にさせていた。


それを見た彼方はより一層期待を込め、キラキラと瞳を輝かせる。


「え、もしかしてホントにノーパ──」


「彼方の馬鹿ー!!」


室内に響いたのは凛音の叫び声。


「りっちゃ……」


彼方がそう呼び止めた時にはもう凛音の姿はリビングから消えていた。


「彼方……」


その後、全員から散々責められたのは言うまでもない。



-客観的視点 end-