そもそも浴びた事で晴れる気分なら、バスルームに逃げ込む事はなかっただろう。


それでも止める気力がない俺はただただ当たっていて、ますます自己嫌悪に陥る一方に、





「すまない」





床に向かってそう呟き瞼を下ろせば、数分前に見た怯えた表情の優子の顔が浮かぶ。


あんな顔見たくはない。


あんな表情をさせたかったわけではない。


これから先ずっと優子を見るたびに心のどこかで怯えた表情が浮かび、その度にこんな風に心が苦しくなるのか…


いや、なに被害者面してるんだ俺は。





「優子…」





何故嘘をついてしまったのか、今更ながらに後悔しているがもう遅い。


発した自らの発言は消せないのにな…


自嘲的に苦笑いが溢れ出てくる。