いやいや、あたしは異常じゃない。

あの二人よりはだいぶマシだ。


と思いたい。




「凛音ちゃーん!!」

「凛音さん!!」

「凛音ちゃん!」


一人でブツブツ喋っていると、地鳴りのような足音が聞こえてきた。



「あ、勇介達が来た」


隣にいた陽が声がした方を指差す。



「みんな………」


振り向くと、そこには勇介くんや千暁くん、その他の鳳皇メンバーがこっちに向かって走ってきていた。


「凛音ちゃんっ!」

「凛音さーん!」


口々にあたしの名前を呼ぶ皆。


ブンブンと大きく手を振りながら走ってくる。





近付くにつれてハッキリと見えてきた皆の顔。


それは、眩しい程の笑顔だった。


まるで暴走の時に見たような、屈託の無いキラキラとした笑顔。



「アイツ等はお前が帰ってくるのをずっと待ってたんだ」


「………」


「アイツ等はお前を心配してた。必死になってお前を捜してたよ」



みんな………。


煌の大きな手が頭上にポスッと優しく乗せられる。



「アイツ等もお前の事が大好きなんだ」


「……うぅ…」


煌の語りかけるような優しい声色にギュッと胸が締め付けられて。



「……あたしも、みんなが大好きだよ」



涙が、零れた。